ていねいのレシピ

愛情いっぱい、育てる楽しさ ぬか床で我が家の味づくり

ぬか床のやさしい触感を楽しみながら、手間と愛情をかけて、我が家の味を育ててみませんか。

◆おいしく、元気に、美しく…ぬか漬けが人気

日本の代表的なお漬物「ぬか漬け」。独特の酸味と旨味が特徴ですが、昨今ブームの発酵食品としても注目を浴びています。ぬか漬けのベースである「ぬか床」には、さまざまな栄養素や植物性乳酸菌が含まれているのです。

たとえば米ぬかには、疲労回復を助けるビタミンB1がたっぷり。このビタミンB1が漬けた野菜に浸透し、野菜の栄養価を高めます。また米ぬかに含まれる「米油」には、抗酸化作用のあるビタミンEやr-オリザールが凝縮しており、エイジングケアの強い味方に。

さらに、米ぬかと野菜の両方に含まれる植物性乳酸菌が、ぬか床の発酵によって乳酸桿菌へとパワーアップするので、生きて腸に届く強い乳酸菌を摂ることができます。乳酸菌によって腸内環境も改善し、美肌など美容面でもいい効果が。免疫力が高まり自律神経が整うだけでなく、最近話題の「腸活」にもなる万能食品なのです。

◆ぬか床の作り方

手間がかかる印象のぬか床作りですが、手順は意外とシンプル。ポイントをつかめば、家庭でもぬか漬け生活を続けられます。

①材料を用意する
まず米ぬか、塩、鷹の爪。昆布や煮干し、干し椎茸などの旨味のある食材もお好みで用意しましょう。

②ぬかに材料をまぜる
蓋ができる大き目の保存容器に米ぬかと塩を入れたら、水を加えてかき混ぜます。全体が味噌のような硬さになったら、鷹の爪や昆布などを入れて準備完了

③『捨て漬け』を行う
大根やにんじんの皮、ブロッコリーの芯などの野菜をぬか床に入れ、3~5日に一度、野菜を入れ替えながら捨て漬けをしましょう。そして毎日1、2回、底からしっかり手で混ぜる。これを2〜4週間続けます。野菜を入れ替える時には漬けておいた野菜の汁を必ずしっかりぬか床に絞る切ること。野菜の水分と栄養分によって、ぬか床の発酵を促す大事な工程です。

④食材を入れて、ぬか漬けをはじめる
ぬか床が用意できたら、ぬか漬けにしたい野菜を軽く塩もみして、ぬか床の中へ。1日1回、しっかりとかき混ぜることで、ぬかが良い状態に保たれ、野菜がおいしく漬かります。

「自分でぬか床を作るのは難しそう…」という人には、容器と発酵したぬか床がセットになった便利な商品も。これならスムーズに、自家製ぬか漬けを楽しめますね。

◆色鮮やかな夏野菜をぬか漬けに

ぬか漬けに適した野菜はどんなものでしょう。たとえば、なすやきゅうりなどの定番夏野菜なら王道のぬか漬けに。アスパラガスは、見た目も鮮やかで歯触りも楽しいぬか漬けになります。ミニトマトやミョウガも、米ぬかの旨味にすっきりとした風味が加わり、美味しさ倍増!食感が独特なアボガドのぬか漬けは、お酒のおつまみとしてもおすすめです。

野菜だけでなく、意外とゆで卵やモッツアレラチーズもぬかの旨味に合うので、試してほしい食材です。

◆ぬか床を育てるよろこび

おいしいぬか漬けにするためには、ぬか床のお手入れがとても大切。17℃〜25℃に保たれるような場所で保管し、毎日ていねいにかき混ぜること。水分が出てきたら、キッチンペーパーなどで拭き取って、ゆるくなりすぎるのを防ぎましょう。それでも水っぽすぎる時には、米ぬかと塩を足してみても。こうすることで、水分に含まれる野菜の旨味を残すこともできます。

1週間以上かき混ぜられない時には、容器をテーブルに軽く落としてぬかの空気を抜き、ラップをしてからチルドルームに保存しておけばOKです。
まるで生き物のように、毎日手をかけることでグッと旨味が増すぬか漬け。この夏は、ぬか床とじっくり向き合う時間を作ってみるのもいいかもしれません。