ていねいのレシピ

かわいくて癒される 多肉植物とナチュラルな暮らし

新しいことをはじめるにはぴったりの季節。目指したい“ていねいな暮らし”に「植物を育てる」を取り入れてみるのもいいかもしれません。
今、注目なのが独特の形や色、質感が魅力的で、インテリア製も高い多肉植物。
少し手をかけて、育てる楽しさを味わってみませんか。

◆ぷっくりかわいい多肉植物

ぷっくりと膨れた姿が特徴的な多肉植物。南アフリカや南米など雨の少ない地域が原産で、葉や茎に水を溜めこむことで、独特の丸いフォルムが作られます。形や色がさまざまなので寄せ植えでアレンジしやすく、「インテリアプランツ」として最近、人気を集めています。


多肉植物は約 1 万 5000 種もあり、初心者でも比較的育てやすいものが多くあります。オススメなのは、葉が小さくつぶつぶとした「セダム」。多肉植物らしい見た目で、寒さや暑さ、乾燥にも強い品種です。葉が重なり合って、バラのような華やかなシルエットを見せてくれるのが「エケベリア」や「グラプトペタルム」。グレーがかった緑やくすんだ紫など、シックな色合いのものもあり、インテリアとしても素敵です。お部屋のイメージを大きく変えたいのなら、「グリーンネックレス」。セネキオの別名を持つこの植物は、つぶつぶとした葉がネックレスのように連なって垂れ下がり、室内にナチュラルで爽やかな印象を与えてくれます。


馴染み深いサボテンも、実は多肉植物の一種。大きさや色、表面の質感を選んで、愛らしい姿に癒やされる空間づくりをしたいですね。

◆寄せ植えや株分けで自分好みに育てよう

多肉植物は室内でも室外でも、場所や季節を選ばず育てることができます。日当たりと風通しの良い場所に置いて、鉢の中の土が乾いたタイミングで水やりをしましょう。成長する季節によって春秋型種、夏型種、冬型種の3つに分けられるので、それに合わせて水やりや肥料の時期を調整します。水をあげすぎると根腐れを起こすので、あまり成長しない休眠期は水は控えめに。


寄せ植えも多肉植物の大きな魅力です。まず根が成長しても窮屈にならないような、多少ゆとりのあるサイズで底穴のある鉢と、水はけの良い土を用意します。違った質感やカラーの多肉植物をいくつか一緒に植えて、その調和を楽しみましょう。サイズの違う植物を高低差をつけながら配置すれば、まるで箱庭のような世界ができあがります。


多肉植物が大きく育ったら、植え替えをするといいでしょう。1〜2 年に 1 回、株を引き抜いて日陰で根を乾かし、ひとまわり大きな鉢に植えなおします。植え替えすることで健康に大きく育てることができます。エケベリアなどは「株分け」で増やすことが可能。出てきた子株を根をつけたまま切り離して植えれば、株が増やせます。葉を置いて株を増やす「葉さし」もおすすめ。葉を土の上に置いて、水を与えずに数日〜1 ヶ月待てば、芽や根が出てきます。

◆インテリアとして楽しむ

多肉植物のユニークな形や色を活かして、インテリアとのバランスを考えるのも楽しいもの。一般的な園芸の鉢だけでなく、陶器やブリキの容器、エッグスタンドなどに根付かせるのも素敵。シャビーな木製のチェストや、サビが良い味わいのバケツなど、アンティークな雰囲気のインテリアとも相性抜群です。大ぶりの葉や蔓が垂れるものは、ワイヤーや麻紐のハンギングアイテムで吊り下げて飾っても。


リビングでも、ベランダでも、サニタリースペースでも、ナチュラルで温かみのある空間を作ってくれる多肉植物。ていねいに植物を愛でる暮らしを味わいながら、おしゃれなインテリアとしても楽しみたいですね。