季節に合わせてクローゼットの中身を衣替えするように、
食卓を飾るうつわを替えると、季節の移ろいがより身近に感じられます。
◆うつわ替えのすすめ
四季があり、海の幸・山の幸それぞれに旬がある日本では、季節によって食材が変わり、料理も変化します。たとえば夏になると食卓にのぼる回数が増えるのが、色鮮やかな夏野菜。なす、きゅうり、トマトなど、艶々と美しい野菜に合わせて、うつわも食材を引き立てる色・素材のものに替えてみるのもいいですよね。
◆ガラスや青い陶器で食卓を涼し気に
夏のメニューも、うつわを替えることでさらに涼やかさを味わえます。夏の食卓に合うのが見た目も涼し気なガラスのうつわ。そうめん、冷奴、ビシソワーズ、カルパッチョなど、冷たい素材をひんやりと保つにも最適です。
うつわを青系に替えるのもおすすめ。青は食欲を減退させる色とも言われますが、実はオレンジや赤、黄色の補色となるので、食材が引き立つ効果もち。
特に、青い陶器は深い海のような青色から、ターコイズブルー、白地に模様を入れたものまで、そのバリエーションは豊富です。産地やブランド、作家の作品などにも魅力的な青い陶器はたくさん。ファッションを選ぶように、料理やテーブルコーディネートに合わせて、とっておきの夏のうつわを見つけてみるのもいいですね。
◆色鮮やかで夏らしい琉球グラス
日本製のガラス食器といえば、江戸切子や薩摩切子、津軽びいどろなど、職人が手作りした地域に根ざした伝統工芸品がいくつもあり、こうした美しいガラス製品は、夏の食卓を上質にコーディネートしてくれます。なかでも、夏の食卓に置きたいグラスのひとつが味わい深い琉球ガラス。米軍施設で使用されたジュースや酒瓶を再利用して作られ始めた琉球ガラスは、ぽってりと厚みのある気泡を含んだ見た目が特徴です。赤や青、緑など鮮やかなカラーも夏らしく、アイスティーや麦茶、ビールなどを注いで、気取らずに楽しむのがおすすめ。日常使いのグラスとして、のどを潤せば、たちまち元気になれそうです。
ていねいに作られた日本製ガラスの魅力を感じながら、お気に入りを探してみましょう。
◆テーブルコーディネートにもひと工夫
うつわを夏仕様に替えたのなら、テーブルコーディネートも夏のあしらいを取り入れたいですね。たとえばテーマカラーを青や緑と決めてテーブルクロスを敷いたり、リネンやレースなどさわやかな素材感のテーブルランナーを置いたり。竹を使ったランチョンマットや、ざる・かごのカトラリーケースなど、天然素材のアイテムも、食卓に夏らしさを加えてくれます。観葉植物や蘭のような艶やかな夏の花など、テーブルにグリーンをあしらうのも素敵。花瓶を置くだけでなく、大きな葉をお皿の下に飾ったりするのもいいアイデアです。
旬に合わせて、食材を変え、料理を変え、うつわを替えるー。それだけで、毎日の食卓から豊かでていねいな暮らしが叶います。