ていねいのレシピ

心地よくて気持ちいい―「麻」をきちんと知る

サラリと軽やかで、落ち着いた光沢と独特の風合いがある素材、「麻」。
ジメジメした暑い季節に取り入れたい麻について、少し知識を深めてみませんか。

◆麻とは

夏になると季節を感じさせる素材として、麻のファッションアイテムを見かけるようになります。では、そもそも麻とはどんな素材がご存じですか。よく聞く「リネン」とはどう違うのでしょう。実は、麻という言葉が指す素材はとても幅広いのです。
1つは、植物の繊維そのもの。茎や葉脈から取れる繊維の総称を麻と呼び、主成分はセルロース。世界各地でさまざまに使われています。麻袋の原料であるジュートや、壁材にもなるケナフ、紐として使われるサイザルなど、さまざまな用途に加工されています。

もう1つは大麻(ヘンプ)のこと。中央アジア原産のアサ科の植物の繊維で、神事との関わりが深く、神社の御祓に使われる御幣(ぬさ)や、相撲で横綱が締める綱にも、この大麻の繊維が使われています。

そして最後が、一般的に麻と呼ばれる、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)。リネンはアマ科、ラミーはイラクサ科で、植物としての分類は異なります。衣類やインテリアのファブリックに使われているのは、主にこの2種類です。


◆リネンとラミーの違い


では、リネンとラミーには、どんな特徴があるのでしょうか。

【リネン】
独特ななめらかさと光沢があり、ソフトな肌触りで、使い込むほどにくったりと肌になじみます。通気性や保湿性にも優れており、さらっとした使い心地が魅力。衣類などに多く流通している最も身近な麻です。

【ラミー】
硬くシャリ感があり、汗ばんでも肌に密着しないため、清涼感が感じられます。コシのある素材なので強度も高く丈夫です。
用途や好みによって、麻の種類を選ぶのもいいですね。


◆10年美しく使うためのお手入れを


麻はきちんとお手入れをすれば、10年後も美しく使えるといわれています。手間がかかりそうですが、必ずしも手洗いをする必要はありません。

まず、洗濯をするときには、風合いにダメージを与えない中性洗剤を選び、縮まないように、水またはぬるま湯を使用しましょう。麻はシワになりやすいのが欠点なので、脱水はごく短時間、または脱水なしで、水が滴る状態のまま陰干しするのがベストです。
それでも洗濯シワが気になる場合は、完全に乾き切る前にアイロンがけを行いましょう。水分が足りなければ霧吹きをしながら、高めの温度設定でアイロンをかけます。

でも、シワを伸ばさないナチュラルな質感も、麻の魅力のひとつ。シワも含めた深い風合いを育てていくのも素敵です。


◆麻のファッションにRinoriを合わせて

夏に気持ちのいい素材、「麻」。その特徴や扱い方をきちんと知ると、さらにその奥深さに魅せられます。

ほっこりとした温かみや、凛としたさわやかさを感じさせる麻のファッションに合わせたいのが、シンプルだけど存在感ある小物類。Rinoriの革製品はナチュラルな麻にもよくなじみます。麻を纏うときにはRinoriを合わせて、ぜひ上質な革と麻のグッドバランスを感じてみてください。