冷え性、更年期、ホルモンバランスの乱れ―。女性の体はときどき揺らぎます。
たまには体の声にじっくり耳を澄まして、ていねいにメンテナンスしてみませんか。
◆体を温める「温活」とは
秋が深まり肌寒さを感じる季節になると、冷え性に悩まされる女性も少なくないでしょう。現代人はおしなべて基礎体温が低く、それによってむくみや肥満、生理不順、代謝や免疫力の低下につながることも。
体温を上げて、体をもっと健やかに心地よく保つための習慣づけが「温活」です。下半身や3つの首(首・手首・足首)を、腹巻やストール、靴下の重ねばきで温める方法がよく知られていますが、その他にも、半身浴でじっくり体を温めたり、食べ物に血行を促進する生姜を加えたり、ストレッチやヨガなど、運動習慣をつけたりすることも温活といえます。
◆お灸効果に注目
そんな温活のひとつとして、注目したいのがお灸。お灸には東洋医学の考え方のもと、2000年の歴史があります。長い時間の積み重ねの中で、安全で効果的な方法が確立されてきたので、実は熱さや火傷の心配も非常に少ないのです。
症状に応じたツボを覚えれば、その日の体調に合わせて、調整できるのもうれしいポイント。自分の体とじっくり向き合い、体の声を聞きながら、ツボを抑えていけば、お灸の温かさに身も心もほぐれます。
◆お灸でセルフケア
難しそうなイメージのあるお灸ですが、鍼灸院に通わなくても、自分でお灸を据えることができます。鍼治療は自分ですることは難しいですが、お灸ならセルフも可能。最近ではもぐさが台座と一体化した使いやすいお灸など、セルフで手軽にできる商品が増えています。好きなお灸を用意したら、ライターやキャンドル、線香などの火元と、使用済みのお灸を捨てる水、水性ペンを手元に揃えましょう
お灸を始める前に、自分の体の状態をゆっくりと見返して、そのバランスを感じます。体が重い、頭が痛い、手先・足先が冷える、といった症状を踏まえて、検索サイトなどで体のツボを図解した「ツボ図」を参照しましょう。身体のツボの目星がついたら、水性ペンで印をつけ、火をつけて煙が出てきたお灸をそっとツボにのせます。燃え尽きたお灸で引火する可能性もあるので、外したお灸は水につけるのもお忘れなく。
最近のセルフお灸はバラエティに富んでいます。もぐさが燃える独特の香りが苦手なら、アロマ付きの商品や、煙の出ないものがおすすめ。棒状のもぐさの周りを器具で覆い、それを転がしたり被せたりして患部をほぐす「棒温灸」は、優しい温かさが魅力です。
◆お灸は女性に嬉しいがいっぱい
お灸は体調が悪い時の特別な治療法というわけではありません。たとえば更年期の不調やイライラ、妊活のベースづくりにも活用できて、女性の生活をいきいきとさせてくれるものでもあります。不調改善だけでなく癒しやリラックス効果も。そして美容にも効果的。血の巡りを良くすることで、肌ツヤにも良い影響が期待できます。
自分にていねいに向き合うツールとして、心と体を癒すお灸を上手に取り入れてみませんか。