ていねいのレシピ

自然な甘さでカラダ喜ぶ やさしい甘酒生活

美容と健康に効果があり、「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。
日本古来の発酵食を幅広く生活に取り入れて、内側からキレイを作りましょう。

◆味わい色々、甘酒の魅力

ほのかな香りとやさしい甘さ、モッタリとした独特の舌触りが魅力的な甘酒。その起源は古墳時代にまで遡ることができ、江戸時代にはすでに“夏の疲労回復ドリンク”として知られ、愛飲されていました。

甘酒には大きく分けて、米麹を使ったものと酒粕を使ったものがあります。米麹を使った甘酒は、砂糖不使用でも甘味がしっかりあり、カロリーも控えめ。アルコールも含まず、美容や健康に効があります。

そのほかにも、紅麹を使ったピンクの甘酒や、米の代わりに玄米を使ったクセのある甘酒といった変わり種もいろいろ。ゆずや生姜フレーバーの商品や、抹茶や豆乳と合わせた甘酒も市販されており、その味わいは千差万別だといえるでしょう。

◆高い栄養価の正体は“麹”

甘酒がもつさまざまな効果の源になっているのが、米麹です。麹菌がデンプンを分解することで生まれる豊富な栄養素が、免疫力を高め、体をいきいきとさせてくれるのです。

たとえば、ブドウ糖、ビタミンB群、ミネラル、アミノ酸は「疲労回復」を助けます。食物繊維やオリゴ糖によって「便通」が良くなり、麹菌に含まれるビオチンや抗酸化物質である“フェルラ酸”が細胞の代謝を促すので、「美肌効果」も抜群。コウジ酸にはメラニンの生成を抑える働きがあり、「シミ・そばかすの予防」にもなります。さらにGABAによって「イライラも抑えられる」というから、まさに万能食材です。

◆じっくり楽しむ甘酒作り

できたての甘酒はまろやかで口当たりが良く、後味もさっぱり。そのおいしさを味わうために、手作りしてみませんか。米麹さえあれば手順は簡単。魔法瓶や炊飯器といった保温できる家電を活用すれば、おうちでできたて甘酒を楽しめます。
甘酒の作り方にはいくつかありますが、今回紹介するのは米麹だけを使って作る「はや作り」と言われる方法を紹介します。

まず、米麹とその1.2倍のお湯を用意します。麹が発酵するのは50〜60℃なので、魔法瓶では温度が下がることを考慮して65℃、炊飯器であれば55℃〜60℃のお湯に麹を加えて混ぜます。混ぜたものを、魔法瓶・炊飯器に入れたら、発酵スタート。魔法瓶は途中4時間経ったら再加熱し、65℃まで温めた上でさらに4時間保温。炊飯器は蓋にふきんを挟んで保温モードで6時間温めましょう。少し時間はかかりますが、じっくり麹が発酵する時間も楽しみたいですね。

◆甘酒の魅力広がるアレンジメニュー

できあがった甘酒はそのまま飲んでももちろんおいしいですが、毎日飲むならアレンジを加えていつもと違う味わいを楽しんでみるのも。
たとえばレモン汁を加えると、すっきりとした後味に。スムージーに加えたりヨーグルトに合わせたりしても、甘みと酸味が中和されたまろやかな味わいが楽しめます。甘みが苦手な人は生姜を入れて味にアクセントをつけたり、豆乳で割って甘みを抑えたりするのもおすすめ。ココアと少量の牛乳を注げば、まろやかな冬のドリンクとして楽しめます。

麹の甘みと旨味を持った甘酒は、調味料にしても。甘酒・ごま油・酢を同量混ぜ合わせれば、旨味あふれるドレッシングに。甘酒を醤油と合わせたものに鶏肉を漬け込んで焼けば、しっとりとしたソテーになります。甘酒と薄力粉、ベーキングパウダー、サラダ油と少量の砂糖を混ぜて、オーブンで焼くと、ほのかな甘みの甘酒入りマフィンも作れます。

寒くなる季節、甘酒の麹パワーで免疫力を高め、ナチュラルでいきいきとした毎日を過ごしましょう。